ちなみに、去年の振り返るはコチラ。
今年の新年の抱負的な記事はコチラ。
今年はどのような1年だったかと申しますと、
実に全力ダッシュ→秋ぐらいから息切れ→のんびり という美しい流れがw
年明け早々にASCII.jpさんにインタビューが掲載されました。
ASCII.jp - プロがネット音楽で目指すのは「商店街の魚屋さん」
ここに書いたことは自分の歩んできた、大袈裟に言えば「音楽人生」における
信念みたいなもので、自分の音楽の軸にあたるものです。
自分はあくまで魚屋さんであって、魚そのものではなく、それはこれからもそうでしょう。
ただし、地元三軒茶屋の老舗の魚屋「池田屋」さんのように、
マグロ解体ショーのようなパフォーマンスが必要なときは、そうしたこともすると思います。
でもあくまで食べてもらいたいのはマグロ、魚。
まず第一にイイ魚を提供できる魚屋さんでなければ、ショーを見せてもダメなんです。
珍しがったお客さんが一時的には集まるかもしれません。
けれど、本質的な部分が伴わない限り、継続されないでしょう。
そして以下は今年のはじめに書いたことにも共通するのですが、
これから重要なのは、例えば「ウチの魚と一緒に食べるとおいしいお米屋さん」を見つけて、
ナチュラルな協力関係を築いていけることだと思っています。
魚屋さんが束になっても魚ばっかり集まってしまうので、
さらにそれを「食事」として大きく捉えてもらうことが大事なのではないかと。
身近にあってほしいのは魚市場ではなく商店街。
話が逸れまくっているので、このあたりは年明けにまた書かせて頂きますw
「VL-SCRAMBLE」「VOCAROCK collection 2」とふたつのコンピレーションCDに参加しました。
VL-SCRAMBLE
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オムニバス 40メートルP ジミーサムP SAM FREE DECO*27 YUSUKE P Dios No.D テンネン SHUN そそそ(津久井箇人)
キングレコード (2010-03-24)
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VOCAROCK collection 2 feat.初音ミク(ジャケットイラストレーター:MACCO)
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オムニバス ナノウ(ほえほえP)feat.初音ミク whoo feat.初音ミク TOKOTOKO(西沢さんP)feat.鏡音リン マチゲリータ feat.初音ミク そそそ(津久井箇人)feat.巡音ルカ アゴアニキ feat.鏡音リン ゆよゆっぺ feat.初音ミク ヘブンズP feat.初音ミク keeno feat.初音ミク Caz feat.巡音ルカ
FARM RECORDS (2010-12-15)
売り上げランキング: 802
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ボーカロイドの音楽がメジャーで流通することが「普通」になった1年であったと思います。
オリコン1位になったコンピレーションCDもありました。
自分にもその波が届いて、このように2作品も参加させて頂きました。
しかし、こういった現象はただ喜ばしいことだけではなく、
「既存の商業音楽の崩壊」を意味しています。
ほとんどがアマチュアレベルの環境で制作されている音楽が
(自分も家の環境でほぼ完結しているという意味ではアマチュアと全く同様の制作環境です)
普通の商業流通と同じラインに乗って、同等の立場で扱われる。
それはアマチュアという立場でも「プロとしての責任」を重く乗せなければならないということです。
「ノリ」で済んでいた状況とはまるで違う環境にも関わらず、
「プロとしての責任」を重んじず「ノリ」で乗り切っている雰囲気も強く感じ、
それを続けることは「既存の商業音楽」をただ崩壊させて終わりになってしまいます。
その「崩壊させる」だけの結果は本当に勿体ないです。
というか、ただ崩壊させるだけでは自分もその崩壊に巻き込まれます。
ウェブ上の個人ベースの活動が「商業娯楽提供者」としてある意味で認められたということは、
今度は「新しい商業音楽」を創っていかなければならない立場にならなければなりません。
ならなければならない、というよりは、時代の流れに選ばれてしまった、という表現が
正しいかもしれません。
「新しい商業音楽」の指すものは、具体的なジャンルとか流行とかそういうものではなく、
根本的なシステムやコミュニケーションであると自分は考えています。
その中で、既存のシステムで出来る限りの「新しい商業音楽」をやる方法が、
JASRACへの部分信託をはじめとする著作物という資産の運用方法なのかと思っています。
難しい話になるので割愛しますが、これははっきりと、
ボーカロイドに関わった人たち全体がリードしてきた流れであると言い切れます。
そしてこれから先にとても重要な要素になっていきます。
音楽を作る側も聴く側も、シンプルに幸せになれる環境とシステムの構築。
それが準備出来れば「商業音楽」そのものが違った形で息を吹き返します。
来年以降はそれらが激動していく日々になっていくかもしれません。
去年の「振り返る記事」では、「プロでもアマでもない真ん中」を
「商業音楽ではない」と書いているのですが、
今の自分の感覚では「全く新しいスタイルの商業音楽」であると考えています。
「既存の商業音楽」とは全く違うものです。
現にそのスタイルは既にゆっくりと始まりつつあります。
「既存の商業音楽」は顧客に負担をひたすらにかけてしまうものでしたが、
「新しい商業音楽」は誰にも気付かないほどにナチュラルでライトなものです。
あえて去年と同じ「真ん中」と表現すると、
「真ん中」は去年は巨大化し、今年は具現化していく1年となりました。
自分の個人的な範囲では、上記のコンピレーションCD2作品の他、
同人CDに複数参加、ネット配信でアルバム2作品とシングル1作品、
動画サイトに楽曲を複数投稿などなど、けっこう充実した1年となりました。
とは言え、これは今までの延長上のことを継続してきた、ということなので、「静」です。
来年こそは「動」となるような1年にしていきたいですなぁ。
2010年もありがとうございました。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。
良いお年を!!